空間を開閉するのが「可動間仕切り」、いわゆるスライディングウォールとして重宝されている。何のことはない、日本古来の襖や障子などの引き戸のことである。障子は日本の住まい方の知恵の中でも、まさしく逸品である。合理的で、しかも。紙一重の妙を持つ優美さが、淡泊な住まいに変化を与えていた。ここでいう障子は、今日の明かり障子のことだ。その働きの本質は多様である。素材は美濃紙だが、これが光を通すと、強い光を微妙に柔らげ、拡散する。
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おかげで室内が、外の光の状況に応じてどのようにも変化し、奥行きを深くする。つまり広くなるのだ。そのうえ、そこに映る影が季節をそのまま映し出す。通気、湿気も適度に通い、断熱効果も備えた仕切りだ。格子のデザインによって奥深い表現も可能で、そのテクニック次第では、部屋をさらに広く感じさせることもできる。こんな歴史のある逸品を、今日の住まいに使わないのが不思議なくらいだ。洋風のイメージが強いマンションにも、障子をどしどし採り入れたいものだ。