金融機関関連の会社を含めた新興のプレーヤーにとって、この証券化の仕組みはなんとも都合のよい手法でした。不動産を買うということは、従来のようにキャピタルゲイン(物件の売買による利益)だけを目的にするのではなく、インカムゲイン(運用による利益)もあわせてその収益力を判断できるという理屈を、この証券化という手法が組み立ててくれたからです。前回のバブルでは、ただ単に不動産を「買って売る」という行為に対して金融機関は多額の貸し出しを行ない、その後の長くて苦しいバブル崩壊を経験することになったのですが、今回は不動産の家賃収入や今後の成長性までを含んだ利益全体を判断して、ファンドに貸し付けるという理屈を金融機関側も組み立てやすかったのです。不動産ファンドビジネスにおける利益は、不動産から得られる毎年の家賃収入と、ファンドの出口と呼ばれる終了期(通常は3〜5年後)における、物件の売却による利益の合算値ですので、この利益の大きさと確かさで投資家は投資を行ない、金融機関はファイナンスを行ないました。
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